大阪高等裁判所 昭和37年(ネ)1091号 判決 1963年11月12日
京都市右京区太秦藤ヶ森町一八番地
控訴人
朝倉喜久枝
右訴訟代理人弁護士
高橋秀三
同市同区西院花田町三〇番地の一
被控訴人
右京税務署長
井上謙二
右
指定代理人
検事
山田二郎
法務事務官
森下康弘
国税実査官
畑中英男
同
中島国男
国税訟務官
鬼塚朝昭
右当事者間の贈与税額更正決定処分取消請求控訴事件について、当裁判所は次のとおり判決する。
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
控訴代理人は「原判決を取消す。被控訴人が昭和三四年五月三〇日控訴人に対し、昭和三三年度分贈与税につき贈与更正額一七〇万円、その税額四〇万円となした更正処分の内贈与金額五〇万円その税額四万五千円を超える部分はこれを取消す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」旨の判決を求め、被控訴代理人は主文同旨の判決を求めた。
当事者双方の事実上の陳述並びに証拠の提出、援用、認否は控訴代理人に於て、「原判決事実摘示中控訴人の主張として、(被告の主張を否認し、本件家屋の建築資金中残余の一二〇万円は昭和三三年一月三〇日と同年六月一四日の二回に亘り、原告が株式会社昭和産業相互銀行八木支店から借入れた)とある部分(原判決二枚目裏九行目から同末行迄)を(被控訴人(被告)の主張を否認し、控訴人は本件家屋の建築に着手した昭和三三年一月頃より同年六月末頃完成時迄に夫重三を介し株式会社昭和産業相互銀行八木支店から昭和三三年一月三〇日一〇〇万円、同年三月五日一五万円、同月一四日一二万五千円、同月二九日二〇万円、同年五月二八日一三万円、同年六月一四日一五〇万円、同月二八日三〇万円合計三四〇万五千円を借受け、同年五月一九日及び同年六月一四日の二回に各五〇万円宛合計一〇〇万円を返済し、又同年一月三〇日四〇万円、同年三月二九日二一万円、同年六月二日二〇万円合計八一万円の定期預金をなし、更に同年二月一〇日を始めとして毎月金五万円宛の定期預金をしており同年七月一〇日には合計三〇万円に達しているので、これらを差引くと正味借入金は一二九万五千円となり、これを以て本件家屋の建築資金中一二〇万円と借入金の利息、手続費用の支払をなし、而して控訴人は昭和三三年六月一一日右銀行に対し右家屋完成と同時にこれを右借入金の担保として元本極度額五〇万円とする根抵当権を設定し翌一二日その登記手続をすませた)と訂正し、又(その後右借入金は昭和三四年二月二五日訴外橋本久三から一〇〇万円、また同年一月一五日訴外京福相互こと山元正雄から一六万円を借入れて返済し)とある部分(原判決三枚目表四行目から七行目)を(その後控訴人は昭和三四年二月二六日訴外僑本久三から一〇〇万円、又同年一月一五日訴外京福相互こと山元正雄から一六万円を借入れ、これに手持金を足して、夫重三が同年二月二〇日に前記銀行に対して右借受金一二九万五千円立替支払をなした金員を、夫重三に返済し、翌二七日前記根抵当権設定登記の抹消登記手続をすませた)と訂正する。」と陳述し
立証として甲第七、八号証を提出し、当審証人朝倉重三の証言及び控訴人本人の供述を援用し
被控訴代理人に於て甲第七、八号証の成立はこれを認める。と述べた外は、原判決事実摘示と同一(但し前記訂正陳述部分を除く)であるから、ここにこれを引用する。
理由
当裁判所は控訴人の本訴請求は失当として棄却すべきものと判定した。その理由は原判決理由のとおりであるから、こゝにこれを引用する。(但し、原判決四枚目裏終りから三行目同朝倉重三とある箇所を原審並びに当審証人朝倉重三と改め、同三行目から二行目にかけて原告本人尋問の結果とある箇所を原審並びに当審における控訴人本人尋問の結果と改め、又同五枚目裏七行目に同朝倉重三とある箇所を原審及び当審証人朝倉重三と又同七行目に原告本人尋問の結果とある箇所を原審並びに当審における控訴人本人尋問の結果と改め、同五枚目裏八行目右昭和産業相互銀行以下同一一行目迄を削り該箇所に(あたかも右主張事実に符合するが如き観がある。)と挿入し、同六枚目表三行目同朝倉重三及び原告本人とある箇所を原審及び当審における証人朝倉重三及び控訴人本人と改め、同六枚目表四行目から五行目にかけて右証人橋本久三とある箇所を、原審証人桂太郎、同高田巌と改める。)
よつて、原判決は相当で本件控訴は理由がないから民事訴訟法第三八四条と則りこれを棄却すべく、訴訟費用の負担につき同法第九五条、第八九条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 宅間達彦 裁判官 増田幸次郎 裁判官 井上三郎)